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2025.12.15
川添ニュース
【川添スタッフ:栄養科科長】笑顔が生む元気の輪

― 栄養科科長に学ぶ、前向きに生きる力 ―
いつも明るい笑顔で周囲を照らしてくれる、当院の栄養科科長。
季節ごとのイベント食では、趣向を凝らしたお料理で入院患者さんや職員を楽しませてくれます。
今回は、そんな科長の「明るさの原点」と「元気の秘訣」をご紹介します。
平坦ではなかった人生の道のり
今でこそ笑顔が絶えない科長ですが、順風満帆な道行きだったわけではありません。結婚や子育てなど、さまざまな人生の転機を経験しながらも、常に前を向き、「今日を楽しむ」姿勢を貫くことで乗り越えてきました。
小・中学生の頃を振り返れば、物静かで引っ込み思案だったそうです。今の科長からは想像しづらいですが、友人も少なかったとか。
大学受験は思い描いていた結果が出ず、進むことになったのが栄養士の道。専門の大学に進学したものの今まで料理をしたこともなく、包丁の扱いさえも苦労する日々だったといいます。
追試が続く学生生活のなかで、「このままではいけない」と一念発起。両親にお願いして、成人式の着物のために両親が貯めてくれていた資金をもとにアメリカへ語学留学を決意しました。異国でのホームステイ経験を通して、自分自身を見つめ直した科長。前向きな気持ちを取り戻して、無事に卒業を迎えますが、やはり栄養士として働く自信がもてず一般企業の事務職に就職しました。
さまざまな人生経験を積むなかで、卒業して5年後栄養士として働きだしました。その後、「食を通じて人を笑顔にできる喜び」に出会い、今では“天職”とも言える栄養士の道を歩んでいます。
努力が「好き」へと変わる瞬間
栄養士の道を進み始めてからも平坦な道ではありませんでした。当時は事務仕事が多く、患者さんと接する機会も少なかったといいます。法人内の異動で当院配属になってからは、まず栄養士の仕事を知ってもらうために、食事の時は必ず病棟へ足を運び、患者さんの食事を観察して声かけする一方で、栄養面からの治療に関して積極的に他職種の人に相談をするようにしました。やがて医師からも患者さんの食事や栄養面について相談されるようになり、10年以上かけてようやく、今のような他職種との密な連携ができたり、患者さんから親しく話しかけられたりするような関係ができたそうです。
今でも、話題は常に食に関することで、次々と料理のアイデアが浮かんできます。外食の際にはお店の設備や食材をチェックし、新しい情報を常にアップデートしています。その好奇心があってこそ、イベント食などで毎回驚くようなアイデアを生み出し続けています。
その原動力は「できなかったことができるようになる達成感と、人が喜んでくれている笑顔。そして、自分も誰かの役に立てているかもしれないという気持ち」なのだそうです。
また、娘さんの受験勉強に付き合うなかで「食生活アドバイザー」の資格を取得。常に前向きで、悲観的な言葉を聞いたことがない科長の周りには、いつも笑い声があふれています。
明るさの秘訣は「二つのルール」
科長の明るさの源を伺うと、笑顔で二つ教えてくれました。
・「やりたいことリスト」を書いて、挑戦すること。
・「楽しいか、楽しくないか」―自分の気持ちを大切にすること。
やりたいこと?と急に言われても、案外なかなか出てこないのが人というもの。それを思いつく度に書いていけば、少しずつストックされていきます。また、文字にすることで、自分の夢や目標がより具体化し、そこへ向かていく意識づけや動機付けにもつながります。そうやってやりたいことが一つひとつ叶っていくのは、人生をより生き生きとした楽しいものにしてくれそうです。
たとえば科長の場合、「好きな服を自分で作りたい」とか、「70歳になったら路上ピアノを弾いてみたい!」などがあったとか。どちらも科長にとっては楽しいと感じられるものであり、だからこそ独学で地道に習得していきました。今では小物やワンピース、白衣の刺繍まで手がけたり、憧れの曲を弾いたりするそうです。
前向きな心が、笑顔をつくる
「好奇心を忘れず、楽しむ心を持ち続けること」―
それこそが、いつまでも若々しく、仕事を楽しむ秘訣なのだと科長は語ります。
最初は興味のなかった栄養士の道も、努力を重ねるうちに“好き”へと変わりました。やりたいことを見つけ、目標を立て、自分の気持ちに正直に生きる。そんな姿勢が、科長のキラキラした笑顔を支えています。
「まだまだやりたいことがたくさんあります」
そう語るその瞳は、未来への希望で輝いていました。どんなときも前向きに、笑顔を忘れない栄養科科長。
その姿からは、「楽しむ力」が人を強く、そして優しくすることを教えてくれます。
私たちも日々の中に小さな“楽しみ”を見つけながら、笑顔で過ごしていきたいですね。(M.M)